2018年6月森と里を紡ぐ千年藝術の森づくりがスタート
500年以上もの間、一関市藤沢町の暮らしと文化を支えてきた曹洞宗藤源寺。檀家さんたちから譲り受けてきた広大な森は約94ヘクタールにもなります。杉、桧、松といった針葉樹林を、林業のためだけでない人が関われる森を目指し2018年にスタートしたのが「千年藝術の森プロジェクト」です。藤源寺住職の良規さんが育った明るく遊べる森、そこから広がる生き生きとした里山を蘇らせるために、観光や特産品の資源となる広葉樹や果樹を地域のみなさまと一緒に育てていきます。
1000年後の景色を描いて
良規さんに案内してもらい、東源寺の裏山へみんなで登ると、そこに広がっていたのは見渡す限りの広大な針葉樹の森でした。最初は小さな一歩ですが、千年後にここから見える景色を思い描き植樹がスタートしました。
藤源寺のある岩手県一関市保呂羽地区は昔話に出てきそうな美しい里山の景色が残っています。この風景を未来に繋いでいくためにも、人が関わり続ける森づくりはとても大切です。森に関わり恵みをいただくことで、自然の営みと人の営みの循環が生まれます。藤源寺では、100年に1度お寺が所有している森から伐採した木材を利用して、改築・改修を行ってきました。こうして森に関わる接点があることで、寺社を建てる技術が未来に伝わり文化が紡がれるとともに、森と共にある暮らしが地域に根付いていくのです。今回のプロジェクトではただ広葉樹に置き換えるだけではなく、ここから切り出された針葉樹を活用機会も生み出していこうとしています。
小さな一歩、1ヘクタールから
どんな偉業も最初は小さな一歩から。まずは1ヘクタールの用地から植林を始めることにしました。お寺からほど近い針葉樹を切り出したこの土地にナラ・ミズキ・カエデなどの広葉樹2400本と、りんご、柿、すももなどの果樹を100本植えます。
まずは山に植樹する木を運び込んで…
スコップ片手に植樹スタート。
あいにくの天気でしたが地域内外からたくさんの方々に集まってもらい、一気に植樹は完了です。
森の恵みをみんなでいただく
植樹のあとは藤源寺に戻ってお待ちかねのランチタイム。シェフに腕をふるっていただいて、地域の山の恵みをたっぷりつかったお料理を作ってもらいました。がまんできずにつまみ食い。
素晴らしい自然の恵みをみんなで味わいます。
こうして大人も子どもも笑顔が絶えない初年度の植樹祭が終わりました。こうしてみんなでお寺で笑いあえる景色も、未来に紡いていけたらと思います。